挨拶
アゼストのデータエンジニアチームに所属している出谷です。
先日アメリカのラスベガスで開催されたAWS re:Inventに参加してきましたので、そのレポートになります。
弊社からは開発チームのジャンと私の2名で参加いたしました。
ラスベガスへの移動
まずは飛行機でラスベガスまで移動しました。
特に問題なくラスベガスに到着できたのですが、機内食だけが気になりました。
ご覧の通り、内容の半分以上がポテトであり、胃腸の弱い出谷は早速アメリカの洗礼を受けることになりました…
イベント参加
イベントパス受け取り
到着した次の日の日曜日にイベントのメイン会場であるベネチアンで、イベントパスを受け取りました。
ベネチアン会場の入り口
このイベントパスを、セッション参加時にスタッフの方のカードリーダにかざすことで、参加したセッションの管理や予約の管理、
モバイルアプリ向けにセッションのアンケート配布などがされるようでした。便利ですね~。
AWS Sports Forum
会場の大きさに圧倒されつつ、既にブースがオープンされているAWS Sports Forumに参加しました。
スポーツとAWSサービスを組み合わせたアクティビティを提供しており、とても楽しい体験をすることができました。
以下は自然言語で入力した内容から、自分だけのゴルフコースを作成できるアクティビティでした。
ゴルフコース生成サービス画面
サービス画面からAmazon SageMaker(機械学習時に使用するサービス)を使用してアプリケーションが構築されているようでした。
結果としてなにやら不穏な雰囲気のゴルフコースができてしまい、今思い返すと水曜日に起こる謎の腹痛を予期していたようです…
生成AIにより作成された不穏なゴルフコース
セッション内容
月曜日~金曜日はイベント本番で、様々なセッションに参加しました。
参加するセッションはウェブサイト、モバイルアプリからも登録することができ、
モバイルアプリには他にも地図機能など様々な機能が搭載されていました。
今回は生成AIとデータ基盤に関するセッションを中心に参加しましたが、
その中でも特に印象に残っている発表についてご紹介させていただきます。
Monday Night Live with Peter DeSantis
このキーノートでは主にコンピューティングを最適化するためのハードウェア面での取り組みを中心に紹介されていました。
普段AWSを使用しているとハードウェアのことを意識しませんが、
ハードウェアの進歩、改善なくして、AWSサービスの進歩、改善はないということを再認識しました。
特に光コネクタにまで話が及んだときに、ここまで掘り下げて説明してくれるのかと驚きました。
16芯光コネクタの紹介
少しご紹介させていただくと、AIのネットワークはクラウドネットワークよりも厳しい要求があり、
それを実現するためにAWSは10p10uというネットワークを開発したそうです。
その中の改善の1つとして、16芯の光ファイバを1つにまとめた光コネクタを開発することで、
データセンタで行っていた複雑な組み立て作業を工場で行うことが可能となり、
AIラックサーバの設置時間の54%短縮を実現した、ということでとても大きな効果ですね。
私は前職で光コネクタの製造、開発に携わっていたこともあり、多芯光コネクタ製造の難しさを少しは理解しているつもりですので、
メーカーの不断の努力の上にAWSという素晴らしいクラウドサービスが成り立っているのだなと感じました。
Build a Generative BI chatbot with LangGraph and Amazon Bedrock
視聴するセッションだけでなく、実際に手を動かすワークショップ、ビルダーズセッションにも参加しました。
その中でも特に興味深かった上記セッションをご紹介させていただきます。
このセッションでは、生成AIを使ったワークフローの構築ができるLangGraphというライブラリと
Amazon Bedrockというサービスを使って、データベースに保存された情報を自然な言葉で検索し、
その結果をグラフで表示するBIチャットボットを作りました。
具体的には、NBAの試合データをサンプルとして使用しました。
システム構成としては以下のようになっております。
このシステムの特徴は、自然な言葉からデータベース用の検索クエリ(SQL)を自動で作成し、
それにエラーがある場合は修正を繰り返して、正しいクエリができるまで処理を続ける仕組みです。
このような複雑な処理を、LangGraphを使うことで簡単に定義できるのがポイントです。
システム構成
LangGraphによるワークフロー
もちろんセッションは全て英語で、ついていくことに必死だったのですが、
スタッフの方や周りの参加者の方に教えていただきながら、何とかアプリケーションを構築することができました。
(と言ってもセッションが始まる前に作成していただいていた部分が多く、細かい部分は復習が必要です)
ページ左下には自然言語での質問文、ページ左上部にはChatbotによるグラフ付きの回答、
ページ右側にはバックエンドでどのような処理が行われているかが表示されております。
実際のアプリケーション画面
私は生成AIに関する知識をほとんど持っていないのですが、上記サービスを通じて
少ないステップで生成AIアプリケーションを作成することができ、素直に感動しました。
また各AWSサービスの適切な使用方法はもちろん、LLM(大規模言語モデル)へのプロンプトなども
非常に参考になる部分が多く、今後に活かすことができる貴重な体験でした。
re:Play
そんなイベントはあっという間に終わりに近づき、木曜日にはre:playというパーティーが開催されました。
会場に着くまで知らなかったのですが、このパーティーでは私の大好きなバンドである
Weezerがライブを行う(!)ということで、ライブ会場の前方で参加しました。
実は去年の来日公演も観に行ったのですが、そのときよりも近くで見ることができ、本当にラッキーです。
私の好きな曲や思い出の曲ばかり演奏してくれたり、周りの方と一緒にシンガロングするのは本当に最高の時間でした。
Weezer登場!
Only in Dreamsのギターソロ!
ラスベガスでの生活
イベント期間中の夜にはラスベガス観光もしました。
シルクドソレイユのショーやフリーモントストリートなどラスベガスらしい豪華な観光地を楽しむことができました。
フリーモントストリート
カジノではクラップスと呼ばれるゲームにはまり、私の10ドル札は何枚も無くなりましたが、
翌日の朝が早かったので、早めに切り上げることができ、被害が最小限で済んでよかったなと感じております…
食事については正直私には量が多く、胃もたれするものが多かったのですが、おいしい料理をたくさんいただくことができました。
特に美味しかったのがトレジャーアイランド、ベネチアンでいただいたタコスとボロネーゼです。
タコス
ボロネーゼ(チーズのかけ方が今まで見た中で一番豪快でした)
週の半ばでおなかを壊しましたが、異なる食文化を体験でき、非常に良い経験となりました。
総括
今回のイベント参加を振り返って、終始コミュニティの規模・熱量に圧倒されていた5日間でした。
個人的には大量のインプットに頭がパンクしそうでしたが、1日中セッションを聞きながら
「弊社ではこのサービス・考え方をどうやったら活かせるだろうか?あの案件にはこの技術はフィットするかも。」と
考える時間はかなり貴重なものでした。
またイベント期間中にお会いしたスタッフの方々や私と同じように日本から来ていた参加者の方々と
コミュニケーションすることができ、とても良い機会となりました。
お話していただいた皆様ありがとうございました。
イベントの他にもアメリカの文化、食、観光を満喫し、大好きなWeezerのライブも観ることができて、とても楽しかったです!
このような貴重な機会を与えてくれた弊社に、この場を借りて感謝します。ありがとうございました!